教職課程に関する情報公開
1.「教員の養成の目標」
本学では、学風の指針である「常に半歩先立つ進歩性」に基づき、「偏らない自由人」、「気概ある常識人」、「平和的国際人」といった三つの具体的な教育目標を掲げている。これらは、偏らないものの見方や人の見方、現代社会の常識やモラル、深い国際的知識や精神的なおだやかさを備えた人に成長させることを目標としたものであり、本学における教員の養成の目標も、これらに基づいている。具体的には、以下の三つの観点を備えた教員の養成を目指している。
・透徹した人間観、教育観にたち、誠実でしかも情熱をもった教員の養成。 ・現代社会の要請に応えうる見識と力量をもった教員の養成。 ・商学をはじめ、教科教育に関連する学問領域に深い探求心をもった教員の養成。 |
さらに、本学の教職課程履修上の到達目標として、以下の事項を定めている。
① 使命感や責任感、教育的愛情等に関する事項
(a)使命感や情熱を持って教育の仕事に取り組むことができる。
(b)児童生徒の成長や安全を第一に考えた行動をとることができる。
② 社会性や対人関係能力に関する事項
(a)教員の責務を自覚して、状況に応じた適切な言動をとることができる。
(b)組織の一員として、他の者と協力して職務を遂行することができる。
③ 児童生徒理解や学級経営等に関する事項
(a)児童生徒に公平な態度で接し、豊かな人間的交流を行うことができる。
(b)児童生徒の発達や心身の状況に応じて、適切な指導を行うことができる。
④ 教科指導等の指導力に関する事項
(a)教科書の内容等、学習指導の基本的事項を身につけている。
(b)児童生徒の学習状況等に応じて、授業計画を工夫することができる。
(c)板書、話し方等、授業を行う上で基本的に必要な表現力を身につけている。
2.「当該目標を達成するための計画に関すること」
選抜と少人数教育
これらの目標を達成するために、本学では選抜と少人数教育を重視している。
本学の教職課程は、昭和52年(1977)に開設され、当初から履修者を選抜する方法をとったところに特色がある。それ以来、この原則は一貫して維持されており、担当教員の熱心な指導と履修学生の自覚・努力によって、今日まで多くの成果を上げてきた。この選抜条件は厳しく、①1年生終了時に一定数以上の単位を修得している、②教員免許状取得に強い関心があり、熱意をもって取り組める、などの条件を課している。①の必要最低単位数を満たすには、入学時から明確な長期目標を立てて実践する強い意志が欠かせなく、それが可能な者に門戸を開いている。また、②の強い関心と熱意を確認するために、履修希望者には1年次の教職課程履修希望者ガイダンスへの出席を義務づけ、本学の教職課程が目指す教師像を伝えている。その折、教員免許状取得のために多くの時間とエネルギーをあてる必要があることも強調している。このガイダンスを経て、教員への強い関心、熱意を自ら再確認できる者のみが、その思いを志望動機として文章にしたため、応募する運びとなる。また、各志望者が所属するゼミの教員が、教員免許状を取得するにふさわしいかどうかを判断し、推薦状を執筆する。その後、本学の教職課程運営委員会による志望者一人一人の面接を経て、志望者の教育観や熱意を確認し、教職課程履修の可否を決定するという流れになる。つまり、ガイダンスやゼミ教員・教職課程運営委員会による、数段階の指導、面接、選抜が行われる。このような選抜プロセスは、本学の特徴である少人数教育、そして標語である「先生と近い」という雰囲気があってはじめて可能になるものである。
次に、本学は明治36年(1903)、四国高知県出身の創立者川田鐵彌(明治6年生)先生が、新宿大久保に高千穂小学校を開設以来、一貫して「人間形成」に重点をおいた私学観と、「実学教育」「国際教育」は「少人数教育」によって実現可能であるとした教育観に基づいて教育を行っている。この少人数教育の利点を活かすという教育観は、教職課程にも反映されている。例えば、模擬授業や指導案作成にかかわる教科指導法などの授業においては、各学生に充分な模擬授業時間を配分することが可能であり、丁寧な指導につながっている。その他の教職課程授業科目においても、少人数教育は積極的な議論やグループ活動を行うことを可能にしており、主体的な学びへとつながっている。
教育現場での経験の重視
現代社会の要請に応え得る見識と力量を育成するためには、実際の教育現場で経験を積むことや、現場で教育に携わっている先生方との交流が欠かせない。本学では、1年次から学校現場でボランティアを行うよう推奨しており、2年次からは、大学を通じて、神奈川県教育委員会及び杉並区の一部小学校にボランティア学生を派遣している。また、各自治体の教師養成塾の授業参観日に積極的に参加するよう推奨している。関連して、例年、2月に教員採用試験合格報告会を実施しているが、その際には、卒業生教員を招いて教育実践報告をして頂いている。そして、卒業生教員と学生が交流したり自由に会話する時間を設けて、学生が積極的に情報を得られるようにしている。
また、実際の教育現場での経験という点では、教育実習に特に力を入れている。本学学生の教育実習先の中でも特に多い東京都内の学校を実習先とする場合、教職課程運営委員が事前訪問を行い、実習校との連携・協力関係をつくりだしている。その後、実習生自身が実習校及び実習指導教員と事前打ち合わせを行うのみならず、実習期間中も本学教員が訪問指導を行い、実習の効果を最大に高められるようにしている。また、実習後に提出が義務づけられている実習録は、毎日の授業実践や授業参観内容を詳細に振り返ることを促す構成となっており、やりっぱなしにならないための工夫を行っている。
教育実習生のアンケート結果
2023年(令和5年度)教育実習生のアンケート結果はこちら(PDFファイル)
教員免許状取得状況
本学における教員の養成に係る取組の結果は、卒業生の教員免許状取得状況に如実に表れている。教職課程履修学生の多くが教員免許状を取得して卒業している点は、本学の特色と言えよう。また、卒業生の教員への就職状況についても、本学の取組の結果が良い方向へ出ていると考えられる。
3.「教員の養成に係る教育の質の向上に係る取組」
まず、全学的な取組としては、FD委員会による授業評価アンケート調査・分析が挙げられる。本学では、ゼミを除く全ての授業において授業評価アンケートを実施している点が特色である。また、このアンケート結果を、過年度との比較や、他の授業における結果との比較が容易な形式で各教員にフィードバックしている。なお、このアンケートは教職課程科目においても実施され、その結果に基づく授業改善が学期毎に図られている。その他、FD委員会による取組の一つとして、授業を学内の他の教員に公開し、改善点の報告や良い点の共有を試みる、という研究授業の実施を全教員に義務づけている。
次に、教育の質保証に関する教職課程運営委員会の取組として、上記の教育実習アンケートが挙げられる。このアンケートに基づいて、教育実習に派遣された学生が実習中に困ったことや、実習前に学んでおくべきだったと反省したことを把握することで、本学の教職課程教育の改善につなげている。
また、本学の教職課程運営委員会と教務委員会が協力することにより、教職課程の授業科目に関する授業の方法・内容・年間の計画について、各教員に適宜指導・助言を行うとともに、各教員の専門性の維持のために学術論文執筆を積極的に促している。
4.「教職課程情報公開」
教員養成に係る組織・教員数
組織:学長
↓
教職課程運営委員会
・委員長 松丸 啓子 教授
・常任委員 早坂 めぐみ 准教授
・委員 鈴木 隆弘 教授
・委員 松丸 明弘 教授
・委員 崔 玉芬 准教授
・委員 大島 久幸 教授
教員数
「教育の基礎的理解に関する科目等」と「各教科の指導法」の担当教員数:22人
(内訳:専任教員9人、非常勤講師13人)
教職課程シラバス【2024年度開講科目】
2024年度開講科目のシラバスを公開します。
下記のリンクを参照してください。
教員免許状取得状況【2023年度卒業・修了生実績】
教員免許状取得状況【2023年度卒業・修了生実績】 | |||||||
区分 | 小学校 | 中学校 | 高等学校 | ||||
全科 | 社会 | 商業 | 情報 | 地理歴史 | 公民 | 合計 | |
専修 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
一種 | 13 | 10 | 1 | 0 | 11 | 10 | 45 |
二種 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
教員就職状況【2023年度卒業生実績】
2022(令和4年度)高千穂大学教職課程自己点検評価報告書
自己点検評価報告書はこちら(PDFファイル)
教職課程だより
教職課程だよりは、本学の教職課程で学んだ卒業生の皆様と在学生、教職員その他の関係者たち相互の交流の輪を広げ、絆を深めることで、本学教職課程における教員養成のさらなる充実と活性化を企図することを目的に2014(平成27)年度より毎年発行しております。
【過年度発行分】
Vol.9(2023年3月20日発行)
Vol.8(2022年3月20日発行)
Vol.7(2021年3月20日発行)
Vol.6(2020年3月20日発行)
Vol.5(2019年3月20日発行)
Vol.4(2018年3月20日発行)
Vol.3(2017年3月20日発行)
Vol.2(2016年3月20日発行)
Vol.1(2015年3月20日発行)
※個人情報を含む項目については一部編集しております。