2023年新年の挨拶 藤井理事長
高千穂学園創立者川田鐵彌先生御生誕150周年
高千穂学園創立120周年
新年おめでとうございます。
本年も園児・学生をはじめ学園関係者全ての皆様方にとり、安寧の1年でありますよう心より御祈念申し上げます。
既に皆様方御承知のことと存じますが、令和5(2023)年5月27日は、本学園創立者川田鐵彌先生御生誕150周年(明治6(1873)年5月27日)及び、本学園創立120周年でございます。
先生は明治32(1899)年、東京帝国大学文科大学漢文科を御卒業され、陸軍幼年学校教授を歴任致しました。その後、明治36(1903)年、30歳にして高千穂尋常高等小学校を開設され、さらに、明治40(1907)年、幼稚園、明治42(1909)年旧制中学校、そして、大正3(1914)年、現在の高千穂大学の前身である私学としては我が国最初の高千穂高等商業学校(昭和19(1944)年3月31日、戦時下において校名を高千穂経済専門学校と改称、終戦を経て昭和25(1950)年4月高千穂商科大学商学部商学科として開学)の創立により、ここに、「幼・小・中・高等商業」という一貫教育体制を完成されました。多くの優秀な卒業生が輩出され、「名門高千穂」としての名声が広く社会に確立されていくこととなります。
学園創立当時30歳という若き先生は多くの方々により御支援を頂いております。ここでは、特にお二人の方のみ御紹介させて頂きます。
お一人が、先生と同郷である高知県御出身の谷干城先生でございます。土佐藩士であり、板垣退助と同年齢でもあります。明治新政府(1868年)下において、熊本鎮台司令長官を拝命され、さらに明治18(1885)年、第一次伊藤博文(44歳)内閣では農商務大臣に御就任(48歳)されております。川田鐵彌先生が高千穂尋常高等小学校を設立された時には66歳でございました。
お二人目は、渋沢栄一翁であり、明治36(1903)年学園創立年度の8年後、明治44(1911)年に、本学園の評議員に御就任されております。渋沢栄一翁は1840年のお生まれでございますので、71歳の御年齢時となります。
学生の皆様はこの連綿として続く本学の歴史・伝統を継承する者として一層の誇りと責任感を醸成して頂けるようお願い申し上げます。創立者の説かれる建学の精神・教育理念である「学風の指針」と「学風の目標」は私たちに本学学生としての行動原理を御呈示されると同時に人間として生命有限の人生を歩むうえでの行動原理を指し示されているとも言えるものです。私達人間は人それぞれ程度の差こそあれ、また意識しているか、否かはともかくとして将来への希望と同時に、日々、精神的・心理的苦悩・不安等を抱えつつ、かつ闘いつつ「今」を生き、「今」を繰り返し、そして、「歳月」を積み重ねていくことになります。
学生の皆様も現在本学学生として、また青年期を生きる者として、様々な苦悩・不安等抱えつつ、かつ闘いつつ「今」を歩まれているものと思います。約80年間という生命有限の人生、学風の指針である「常に半歩」の歩みを継続して下さい。「努力の継続性」による「歳月の積み重ね」が、「人間としての成長」を育み、徐々にではあるかも知れませんが精神的・心理的に強い逞しさを醸成されていくものと思います。「今」を「真摯に生きること」の大切さを看過しないで下さい。学園創立者川田鐵彌先生による「学風の指針」と「学風の目標」を常に私達の日常生活における行動原理として捉えて頂きたいと思います。令和5(2023)年、新年を迎えるにあたり、改めて川田哲学を見つめて参りたいものでございます。
それでは、本年もよろしくお願い致します。
令和5(2023)年 元旦