平成30年新年のご挨拶笹金学長

「アクティブラーニング」は何のために?

 皆さん、あけましておめでとうございます。今年の干支は「戊戌(つちのえいぬ)」です。「冬季オリンピックの年」であり、「東京オリンピックまであと2年」と迫ってきました。昨年はいろいろありましたので、今年も何が起こるかわかりません。予測への備えは大切ですが、覚悟しながらも明るく過ごしたいものです。


 さて、不測の事態とは別に、中長期的に世の中が確実に遷移していくだろうと予測されていることについて考えます。総務省が毎夏ウェブサイト上で公開する「情報通信白書」の中で、この数年間のICT(情報通信技術)におけるキーワードが3つあります。ご存知でしょうか。「IoT(モノのインターネット)」、「AI(人工知能)」、「ビッグデータ」です。当初は、キーワード自体が独り歩きしていたように感じますが、いよいよ現象期に移行してきました。その典型的な構図は「IoTによってセンサーから収集されたビッグデータをAIで解析・認知し、IoTを介してアクティベーターに伝える」といものです。さらに、ICT(特にAI)の進展によって「10年後にはさまざまな職が無くなる」と主張する学者もいます。その内容はウェブ検索に委ねますが、誇張されている面が多分にあるものの、理にかなった予測だと思います。ただし、「AIが人の仕事を奪う」という認識は適切ではありません。過去の事例に照らし合わせれば「電気洗濯機の出現は人から洗濯という仕事を奪ってしまった」という捉え方をするでしょうか。つまり、今後、人が直に行使しなくて済むようになるスキルがある一方で、継続するまたは新たに創生される知識・能力・スキルがあるということを意味しているのです。しかし、それが何であるかを調べることでは何も解決しません。また、「10年後に人がやらなくて済むスキルを今までに身に付けたことが無意味になるか」というと、これも正しくないと思います。私の小さな人生経験から感じる見解では、人が経験することで「無意味なこと」は一つもありません。また、「無駄こそが人生そのものだ」という考え方もあります。


 大切なことは、「これから起ころうとすることを『理解し』、その中での自分の立ち位置を『考える』」ということだと思います。そして、「理解し、考える」力を身に付けるための近道が、「アクティブラーニング」ではないかと思います。昨今、初等教育から大学教育に至るまで「アクティブラーニング」というキーワードが躍っていますが、本来の「主体的学び」にフィットする実例は多くありません。「アクティブラーニング」というのは仕組みではなく、学生諸君の「姿勢」です。「基礎的な知識を身に付けた上で、自分から獲得するつもりで授業に挑む」という心構えとそのための準備(予習)とまとめ(復習)の繰り返しだと思います。私たち教員は、学生諸君にアクティブラーニングの可能性を提供しますので、ぜひ学内で真のアクティブラーニングが実現できるよう挑戦してほしい。これが、皆さんの将来と学園の未来につながると信じています。


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