高千穂オピニオン(人間科学部・スポーツ教育学)
スポーツ選手とドーピング問題
最近ロシアの選手が、過去のドーピングによりリオ五輪出場停止処分を受けるなど、
オリンピックが近づくにつれ、様々な問題が表沙汰になっている。
ドーピングは、スポーツなどの競技で運動能力を向上させるために、
薬物を使用したり物理的方法を採ること、及びそれらを隠ぺいしたりする行為とされる。
古くは、古代ギリシャ時代に競技者が興奮剤等をドーピング目的で用いるなど、
競技力向上に対する欲求は様々な手段を試させることになる。
しかし、検査することが出来ず、問題視されるようになった19世紀初頭では、努力目標にすぎなかった。
その後、検査が出来るようになり、国際大会で行われるようになったのが1966年から、
さらに、専門機関が出来たのが1999年とつい最近のことである。
ドーピング禁止理由には、いくつかあるがその中でも、「健康を害するため」が一番重要では無いかと考える。
麻薬性の有るものはもちろんのこと、本来体内で生成されるべきホルモンを外部から摂取することによる
体内バランスの崩れは、将来にわたり悪影響を及ぼす。
確かに、競技成績で一生の生活が決まる可能性もあろうが、
その後の副作用により生活に大きな支障を及ぼすことを理解できる年齢と、
競技パフォーマンスがピークを迎える年齢とがかけ離れているように感じる。
競い合うために健康を害するのでは無く、スポーツの語源である
「気晴らしをする、遊ぶ、楽しむ」から想像できる健康的な生活を送るための手段として
スポーツが存在するためには、どこかで歯止めをかける必要がある。
教員紹介
人間科学部 新井 健之教授
(スポーツ教育学,トレーニング科学,スポーツバイオメカニクス,身体教育学)
新井教授の紹介ページ:
https://www.takachiho.jp/outline/professor/_1438/_1440.html
人間科学部 カリキュラム紹介:
https://www.takachiho.jp/faculty_graduate/outline/human.html
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