高千穂オピニオン(人間科学部・社会保障論)
社会保障について
皆さんは、社会保障に関してどんなイメージをお持ちでしょうか?
現代の国家における社会保障とは、国家と国民の間での憲法を介した契約によって運営されている我々が生きていくうえで困った状態になることを予防したり、防いだりする社会的な制度です。
しかし、もともとの社会保障制度は、貧困者を救ったり、貧困者にならないように一部の篤志家(とくしか)と呼ばれる人々の高邁な献身的な活動によって支えられていました。社会保障はこうした高邁な精神から生まれた社会の助け合い制度なのですが、現在大きな転換期を迎えています。
皆さんよくご存知のように多くの先進諸国では社会保障制度による財政の硬直化(社会保障関連費用に使途が決まってしまって自由にお金を使えないこと)に苦しんでいます。とりわけ、日本政府の借金(国債)の多くが社会保障に関する支出によって生じたものです。
さて、この状況において我々はどのように生活の安心を維持していけば良いでしょうか?昔のように国家の関与を軽くして国の借金を少なくする方法が良いのでしょうか?それとも負担の増加を覚悟してこれまでと同様に、あるいはそれ以上に安心を高めていく方が望ましいでしょうか?みなさんと一緒に考えていけたらと思っています。
教員紹介
人間科学部 迫 一光准教授
https://www.takachiho.jp/outline/professor/_1438/sako.html