平成29年 新年のご挨拶 笹金学長

目標宣言のすゝめ

 皆さん、あけましておめでとうございます。今年、平成二九年(2017年)の干支は酉ですが、厳密に言えば「丁申(ひのととり)」です。冒頭から私事で恐縮ですが、一つ前の丁申の年に私はこの世に命を授かりましたので、もうずいぶん長い間この世に滞在しています。

 さて、「年の始めには、一年間の目標を立てよう」とよく言われますので、「目標」について考えてみたいと思います。本学には「常に半歩先立つ進歩性」という学風の指針があります。さらに、もっと具体的な表現として、「偏らない自由人」「気概ある常識人」「平和的国際人」という学風の三つの目標が定められています。学風の指針も含め、これらはいずれも「目標」と言えるもので、以降では「四つの目標」と表記します。「四つの目標」は、個々人の短期的な目標ではなく、今後長期的にこのようなことを目標として成長していってほしい、という大学から本学学生へ向けてのメッセージに他なりません。年始にあたってまず、「四つの目標」について改めて考えていただきたい。これらの中には、本学に限らない「普遍的な目標」(普遍性)と川田鐵彌先生の教育理念を継承し本学を特色づける「個性的な目標」(個性)の双方が同居しているなあと感じるのですが、いかがでしょうか。


 さて、皆さんは、これまで経てきた学校生活の中でどのような目標と出会い、また、個人的にどのような目標を立ててきたでしょうか。私は、「目標」というと今でも小学校五・六年生当時の担任の先生が、最初の日に掲げた三つの目標を思い浮かべます。それらは「①納得いくまで追求しよう」、「②相手の立場に立って考えよう」、「③元気いっぱい運動しよう」というものでした。賛否はあるかもしれませんが、当時はこれらを毎朝復唱したと記憶しています。これらの目標にもやはり、普遍性と担任の先生の個性の同居を感じます。また、特に①と②は、その後いつでも私に寄り添い、人生の大切な指針になったと思っています。①を好まない人もいるだろうと想像しますが、私には違和感はありませんでした。また、この両者は、片方だけでは不安定だけれど、ペアにすると強力だな、といつも思っていました。そして、この二つの目標と本学の「四つの目標」の間に共通性も感じます。


 多くの人が、「自分の考えを、言葉にして表現する」と思っているかもしれませんが、実際にはその逆で、「人は言葉によってはじめて自分の考えをまとめることができる」と私は思っています。極端な言い方をすれば、「気持ち」はあっても「言葉」がなければ具体的には何も始まらない、ということでしょうか。だからこそ、「目標」という名の具体的な言葉を年頭に作成し、宣言してほしい。そして、「有言実行」につなげてほしい。


 しっかりと「目標」を宣言し、目標の実現に努めることが、実り多い一年につながると思います。

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